何かを書き留める何か

数学や読んだ本について書く何かです。最近は社会人として生き残りの術を学ぶ日々です。

2020年大反省会

自分以外特に誰も楽しみにしていない、年末恒例の反省会エントリを書く季節がやってきた。

過去のエントリは以下の通りである。

2020/01/18 『データサイエンス設計マニュアル』発売

原書はシュプリンガーで学生時代以来である。 シュプリンガーの邦訳はシュプリンガージャパンが邦訳書から撤退してしまったので邦訳は中々に珍しい気がする。 この時期に発売されるということは、年末年始で作業をしていた人たちがいたのである。 2018年から2019年も作業に追われていたが、2020年の場合も読んでいたと思う。

2020/02/下旬 在宅勤務(リモートワーク)が始まる

腰痛で辛すぎるときは家で静養しつつ仕事をする、というケースは何回か経験したが、普通に家で仕事をするの初めてであった。 やはり通勤がないのは楽であり、今まで通勤に使っていた時間を別のことに費やせるのはうれしい。 業務も、ある程度やることや方針が見えていれば無理して集まる必要もないのである。 とはいえ、相談したいことや、単なる雑談、帰り道による紀伊國屋など難しくなったことも多い。

2020/02/29 PyCon mini Shizuoka 2020で登壇する

「君はcmathを知っているか」という題目はある程度温めていた題材であったものの、意外とまとめようとすると困る題材であった。 どのようにまとめようかと苦心していたが、学部3年で勉強した信号処理を題材にして複素数の威力を示すことができた気がする。 元々は静岡に赴く予定であったが、現地開催が中止となりオンライン開催となった。 今となってはオンラインイベントはかなり一般的になったが、この時期にオンライン開催を決断するのはすごいことだと思う。 自分の発表は通信トラブルに見舞われてしまったのでいつの日かリベンジしたい。

2020/04/13 『Pythonではじめる教師なし学習』発売

昔、コンピュータ技術書には入門書、総合書、クックブックがある、という分類法を聞いてなるほどと思ったことがある。 これは各論というか、機械学習の中でも教師なし学習に特化した本である。 TensorFlowのバージョンの違いを検証するのがなかなか大変である。 サンプルコードを配布する際はコードだけでなく、Dockerfileも配布して環境丸ごと提供する時代になるのだろうか。

2020/05/04 『ゼロからはじめるデータサイエンス 第2版』発売

架空の企業のヴァイスプレジデントが大量に登場する本。 初版はPython 2と3の過渡期で第2版はPython 3に特化という時代の流れを感じる本。 架空の企業とは言え実際の業務に活用できそうなヒントが多い本である。

2020/06/上旬 プロジェクトが混乱する(1回目)

詳細は書けないが、「開発期間は6月から8月です」と聞いていたものが「開発期間は5月から7月ですよ」と6月に聞かされるのはプロジェクトが混乱しているとしか言えない。 UDPによる情報伝達はプロジェクトが混乱するのでやめていただきたいものである。

2020/07/16 『Effective Python 第2版』 発売

初版邦訳が登場したのは2015年であった。 原著がアジソンのサイトに登場してから実際に発売されるまでは相当の時間がかかったが、邦訳は比較的すぐ出た。

2020/08/27 『動かして学ぶ量子コンピュータプログラミング』発売

量子コンピューティングや量子力学は全くの専門外で査読したというよりは詳しい人を連れてきました!というのが僕の邦訳に対する貢献である。

2020/08/29 PyCon JP 2020で登壇する

「インメモリーストリーム活用術」という題目で発表した。 業務で経験したことを発表した形であるが、調査のためにLinuxのファイルの仕組みについて調べたり、ZIPファイルをインメモリーで書き込むという超絶技巧?を披露したりと個人的には満足できた発表である。 オンラインで発表する、という行為にはだいぶ慣れてきたが、オンラインカンファレンスにおける交流はやはり難しいな、というのも経験できたイベントである。 発表自体はカメラとマイクと配信ソフトウェアがあれば可能であるが、質問に答えたり、企業ブースを巡ったり、従来はパーティという形で開催されていた交流はやはり難しい。 トーク以外の要素をどれだけ工夫するか、というのが各々求められていくのであろう。

2020/10/上旬 プロジェクトが混乱する(2回目)

詳細は書けないが、1回目とほぼ同じ要因でプロジェクトが混乱した。 1回目は1回目なので反省して次頑張りましょう、とできるが、2回目なのでこちらは疲れるだけである。

2020/11/09 『データサイエンスのための統計学入門 第2版』 発売

第2版でR言語に加えてPythonが追加された。 単純にPythonを追加したほうが売れるという話かもしれないが、Pythonが広く使われているということを示す証左でもあるのだろう。 学生時代はPythonはマイナー言語で、常駐先のお客さんにおもちゃ言語だよねと言われたこともあったが、今は昔である。

2020/11/16 『Pythonではじめる数学の冒険』発売

PythonとProcessingで数学を学ぶ本。 思えば、高校生の時、情報の時間でExcelを使って三角関数のグラフを書いて遊んでいた。 数学的なオブジェクトを自分の手で書いて描画するのはやはり楽しい行為なのである。

2020/12/24 『計算できるもの、計算できないもの』 発売

プリンストン大学出版会の本。 恐らくJavaで書かれたコードをPythonでそのまま置き換えた、というコードでPythonのコードとしては変わっているが、中身は面白いのでぜひ。 学部で計算理論に関する講義を受けたが、まあそれはそれはひどい講義でありまして。 それなりに分厚い、某教授の書いた計算理論の教科書を買わされた(講師は非常勤講師)が、半年で1章しか消化しない有様であった。 某教授の研究室生は研究室公開で「俺は**研に入ったから勝ち組」みたいな態度を見せる説明で「ここはちょっとアレだな。」という思い出がいまだに残っている。 計算理論は、結局、院生時代に恩師が学部講義でやっていた計算理論とアルゴリズム論の講義に潜ることである程度学んだのである。

全体的な反省

今年も査読を多くこなした。 昨年と同程度の冊数である。 これはオライリージャパンの編集者の仕事のペースがすごいということも意味しているし、Python人気が続いていることも意味している。 外部発表は今年も2回で目標は達成(半期に1回程度が目標)で、題材も業務で得た知識が数学ネタ、ということで個人的には満足している。 仕事は、プログラミング以外の要素でひどく疲弊する機会が多く、困ってしまった。

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