何かを書き留める何か

数学や読んだ本について書く何かです。最近は社会人として生き残りの術を学ぶ日々です。

さよなら、左上のC

抜歯をした。

それだけなら、別にこんな記事を書く必要はない。 単に、不摂生か、加齢か、という話である。 今回、抜歯したのは左上のCと呼ばれる犬歯である。 その犬歯は永久歯ではなく、乳歯であった。

ちょうど修士から就職する間に、地元の歯科医院で虫歯になった左上の犬歯を治療していた。 その際に、歯科医から、治療した歯が乳歯であることを教えられた。 今まで、乳歯から永久歯への生え変わりは経験したが、乳歯が残っているとは思っていなかった。

左上の犬歯は抜髄していたため、他の永久歯と比べて比較的柔らかい歯であったらしい。 今回、硬いものを左上の犬歯で噛もうとして折れた形である。

抜歯をするために、まずは表面に麻酔を塗る。 やや苦い。 その後、歯茎に麻酔を注射する。 表面に塗った麻酔薬が効いているので、本来は痛いはずの注射も、何か違和感がある、という程度の痛みであった。

折れてグラグラしている左上の犬歯を取り除く作業はすぐに終わり、歯茎に残る犬歯の根を取り除くためにあの手この手で作業が続く。 抜歯と聞いてペンチみたいなもので、梃子を効かせて抜くのだろうか、と思っていたが、作業の大半は何かを押し付けているようなものであった。 止血をしつつ、大体40分ぐらいで終わった。 抜いた歯は持って帰っていい、とのことだったので持ち帰ることにした。 歯は血で赤くなっていたが、透明な袋に入った歯は洗われていた。

左上の犬歯は乳歯であったが、その存在感は他の永久歯と変わらないものであった。

今は、その場所にはぽっかりと隙間がある。