何かを書き留める何か

数学や読んだ本について書く何かです。最近は社会人として生き残りの術を学ぶ日々です。

『Effective Python 第2版』の技術査読を担当しました

待望の第2版

2020年7月16日にオライリージャパンから『Effective Python, 2nd Edition』の邦訳である 『Effective Python 第2版』が発売される。

www.oreilly.co.jp

この度、邦訳の査読者として参加させていただいた。 2020年3月~4月頃にかけて読んでいた。 入稿直前に原著レポジトリのエラッタを反映するなどギリギリまで翻訳の品質を高めようとしていた。

原著初版は2015年、邦訳初版は2016年に発売された。 当時は初心者向けの本も少ない中、貴重な中級者向けのPython本であり、当時の私は原著を必死になって読んでいた。 もう5年も経過してしまったが、2版もまた欠かせない中級者向けのPython本となっている。

初版は59項目であったが2版は90項目と加筆された。 また、初版はPython 3がメインでPython 2も時折触れる程度であったが、2版ではPython 3に特化した記述になっている。

初版の59項目の内、ほとんどは5年分の発展を反映された内容となっており、一部は細分化されて加筆されている。 大きく変わったのはメタクラス(初版項目33, 34, 35、2版項目48, 49, 50)であり、初版はmetaclassを活用していたが、2版ではPython 3.6で追加された特殊メソッドで実装している。

新規に追加されたのは、2章「リストと辞書」の辞書まわり、4章「内包表記とジェネレータ」の複雑な部分(項目34, 35, 36)、7章「並行性と並列性」のコルーチンやasyncio周り、9章「テストとデバッグ」のモック、10章「協働作業(コラボレーション)」の静的解析が中心であろうか。

初版を読み込んだという人、初版が発売された時期は初心者だったが現在はそれなりにPythonを使っているという人、始めたばかりという人、それぞれおススメである。 項目ごとに拾い読みができるので各々必要な個所を読めばそれだけでも十分効果があると思う。

冒頭の原著者の「第2版日本語版へ寄せて」で関係者一向で曙橋のそば屋に行ったことが書かれている。 私は勧められるがままに天ぷらそばを頂いたのを思い出した。