何かを書き留める何か

数学や読んだ本について書く何かです。最近は社会人として生き残りの術を学ぶ日々です。

2015年大反省会を2016年に行う

もう2016年1月も終わりますが

2015年の大きな出来事は『Effective Python』を購入し、私家版翻訳を進め、 気づくと邦訳版の査読者になって、なぜか査読者略歴まで掲載されたことである。 2015年大反省会は2015年の大晦日に行うものであるが、『Effective Python』邦訳版出版後でないと、 「常駐請負だけだと視野が狭くなるから外の世界を見るようにした1年でした」という感想しか公開できないのでこのタイミングとなった。

2015/02/上旬 案件炎上

ある案件が炎上し、テスト要員として急きょ駆り出されることとなった。 この業界の常として案件炎上、別部署から駆り出される、という話は聞いていたが実際に経験したのは初めてであった。 自分自身も案件の納期が迫っている状況で大変つらかった。

2015/03/24 Effective Pythonが届く

紀伊國屋書店に注文していた『Effective Python』が家に届く。 以前、『Python in Practice』を読んで挫折したが、今回は項目ごとにテーマがはっきりしていて読みやすかった。 読んだ勢いで第一章の序文と項目1を訳した。

2015/03/26 筆者のBrettさんにダイレクトメッセージを投げる

『Effective Python』の注目度を上げればどこかの出版社が邦訳を出すに違いない、 そのためには日本語訳を公開して知名度を上げるべきである、と思いたったが著作権法というものがあり勝手に翻訳を公開はできない。 そこで、http://www.effectivepython.com/ にあった見本(項目17)を急いで翻訳し、 筆者のBrettさんにブログの翻訳を掲載してよいかという旨でいきなりダイレクトメッセージを投げた。 結果、丁寧な返事をいただき、結論として出版社NGであるという話であった。 Brettさん曰くフェアユースの範囲内なら、ということだったので翻訳を公開することを諦め、代わりに感想をひたすら綴る形式を取った。 昔、PythonTeXなる道具を広めようとブログエントリを重ねたら一部界隈で話題となり、アクセス数1日200以下のブログでも効果はあると感じていて、 その二番煎じをやろうというハラであった。

2015/05/02 第一章を訳し終える

感想を書くために全文翻訳を行っていた。 未だに翻訳を合法的に公開する方法を模索していた。 同人誌即売会というグレーな場所も考えていた。 実際、Monty Pythonのテレビシリーズの台本である『Just the Words』の注釈集を 同人誌として制作しているサークルをコミケの評論島で見たことがあったのも大きい。

2015/05/21 第4回Python文法詳解を詳解する会に参加

請負常駐という立場で仕事を続けるとどうしても世界が狭くなってしまう。 世界を広げたいという思いで外部の勉強会に参加しようと思い立ち、「Python文法詳解を詳解する会」に参加した。 Twitter上で第1回からの様子は遠目から見ていた。 Pythonに限らず色んな勉強会があるが、Pythonの応用例ではなく言語の勉強会なので予備知識がいらなそうと判断したこと(これは間違っている)、 『Python文法詳解』を所有していたこと、しれっと午後半休を取る度胸があったこと、という理由で決めた。 『Effective Python』とは何ら関係のない出来事だが、3か月後ぐらいにつながるのである。 『Python文法詳解』のTypoを見つけて石本さんに報告したりもした。

2015/07/06 第二章を訳し終える

合法的に公開する別の手段として、勉強会というのを考えていたが、実行に移そうとも思わず淡々とエントリを重ねていた。 ソフトウエアテストに関する本がその手法で邦訳をいくつか出ていたのを見てそう思ったのであろう。

2015/08/06 第三章を訳し終える

夏休みを使って一気に読み進めた。学部や院生のときは今よりもずっと時間があり本を読むことができたが、 今では夏休みのような時間でしかまとまった時間がとりずらいのである。有給休暇を重ねればよいのだが。

2015/08/12 第四章に着手する。

この時期からTwitterでリツイート・お気に入りされたり、はてなブックマークに登録されたりとごく一部の界隈で認知されてきたと感じた。 このままどこからか『Effective Python』の邦訳が出版されないかなと思っていた。

2015/08/14 石本さんからダイレクトメッセージが届く

この時は本当に驚いた。びっくりした。 まず、『Effective Python』がオライリーからでること、 次に、石本さんが技術監修を担当すること、 そして、翻訳者である黒川さんが僕のブログを見て一度会いたいということ。 最初の1つだけでもうれしいニュースであるが、後の2つは一体何なのか最初はよくわからなかった。

2015/08/19 黒川さんとのミーティング

オライリージャパンさんにて打ち合わせ、顔合わせを行った。 わざわざ僕の仕事終わりに合わせてくれた。 そこで、レビュアーとして参加してほしいという話となり、「え、僕でいいんですか?」という反応をしたような覚えがある気がする。

2015/08/22 Windows上のPythonと戦う

原稿完成が楽しみだなーと呑気にしていたら黒川さんからメールが飛んできてサンプルコードが動かない原因の調査を行っていた。 下記のエントリにその様子が垣間見える。

『Effective Python』Item 36: 子プロセスを制御するためにsubprocessを使おう - 何かを書き留める何か

『Effective Python』Item 37: スレッドはブロッキングI/Oに使い、並列処理は避けよう - 何かを書き留める何か

2015/10/19 PyCon JP 2015に参加

2014に続いて2回目の参加。参加した感想は別のエントリにまとめている。

Pycon JP 2015 1日目に参加しました。 - 何かを書き留める何か

普段、人と話しなれてないせいか、このような場に来ると体力をごっそりもってかれて疲れて果ててしまう。 とはいえ、会話をしないと壁の花と化してしまうので会話をしなければならないのだ。

2015/11/10 Python Mini-Hack-a-thonに参加

初めて#pyhackに参加した。参加した感想は別のエントリにまとめている。

第58回Python Mini Hack-a-thonに参加しました。 - 何かを書き留める何か

結局、ここで取り組んだ内容は結果としてはダメであったが、よい経験となった。

2015/12/上旬 自分の案件炎上しかける

案件の締め切りが急に早くなり慌てて実装を進めた。 この件に関しては色々と不平不満はあるのだが、学んだ経験としては設計は考えて行わないと後で苦しむということである。

2015/12/下旬 査読者略歴の依頼が来る

邦訳の出版に向けて進んでいるところでオライリージャパン赤池さんから査読者略歴を掲載したいという依頼が届いた。 「査読者略歴が書いてある本ってあったっけ?」と思いつつ手元にある本を見返したが見つからなかった。 謝辞で査読者に触れることは大いにあるが、まさか自分の略歴が乗るとは思ってもいなかった。 考えた末、今までの学生生活でお世話になった学校への恩返しの意味を込めて高等学校からの学歴を載せるという暴挙にでた。 なんだかんだ言って、高校1年の時に文系から理転(?)したので僕にとって高校はやはり重要な転換点なのである。

全体的な反省

僕のいる世界は技術ではなく営業の方が圧倒的に重要視され、 技術は外から集めるもの、我々はマネジメントをするのだ、という世界の価値観にやっと気づいた。 さらに、少数精鋭の名のもとに人が少なく、1人に大量の外注エンジニアを割り当てて 利益を上げているという構造も見えてきた。 僕はまだ単なるエンジニア枠であるが、そろそろそのマネジメント枠にはめられそうである。

外の世界を見る、というのを心掛け、洋書に挑戦したり、勉強会に参加したりした。 まさか『Effective Python』の査読を担当するとは夢にも思っていなかったが、 半年で何らかの形になるとは思っていなかった。

来年、というかもう2016年の1月も終わろうとしているが、2016年は自分で何らかのプロダクトを 作る、のが目標である。 そのプロダクトがプログラミングなのかドキュメントなのかはわからないが、形を残したい。 そして、自分の世界を変えていきたい。