何かを書き留める何か

数学や読んだ本について書く何かです。最近は社会人として生き残りの術を学ぶ日々です。

2025年に読んだ本

雑な読書記録

買っても読まず、読んでも特に記録を残さずに思い出に残らないので、年単位で読んだ本と簡単な感想を残しておくことにしよう。 いつも、書評を書こうと思い立つもすぐに断念してしまうので「簡単な感想」にとどめてそのハードルを下げるのが目的である、と言っておきながら6年目である。 過去のリストは以下の通り。

自分が読み返して「こんなの読んだのか」と感慨に耽るのが目的なので、気楽に読み流してほしい。

吉田戦車『殴るぞ』(小学館

csbs.shogakukan.co.jp

老若男女、森羅万象、ゆりかごから墓場まで無差別同時に繰り出される、シュール4コマのボディーブロー。さあ、準備はOK? あ、別に痛くはないです。

吉田戦車の4コマ漫画。

昔、物理本の装丁が気に入って部分的に購入していたのだが、とうとう全巻揃えることはできなかった。 電子版になっていたので全巻購入。

夢枕獏谷口ジロー神々の山嶺』(集英社

www.s-manga.net

エヴェレスト初登頂の謎を解く可能性を秘めた古いカメラ。深町誠は、その行方を追う途中、ネパールで“毒蛇(ビカール・サン)”と呼ばれる日本人男性に会う。彼がネパールに滞在する理由とは!? そして、彼の正体とは…!?

面白いと聞いて。 同名の小説の漫画版。 “毒蛇(ビカール・サン)”の正体はすぐに察しが付くものの、何故そこにいるのか、や、何をしようとするのか、の描写は話も絵もすごい(語彙不足)。 読んでいて寒気がする、傑作。

村上泰裕『アルフレッド・リードの世界 改訂版』(スタイルノート)

www.stylenote.co.jp

おなじみの吹奏楽曲を多数作曲した、吹奏楽の神様とも称される吹奏楽作曲家アルフレッド・リードの生涯と多くの楽曲を詳しく紹介。もととなった曲の楽譜や歌詞対訳、楽譜の正誤情報も収載。演奏や鑑賞に役立つ貴重な一冊。

アルフレッド・リードの生涯、吹奏楽曲の解説(おそらくプログラムノートに記載されているものの和訳)、一部の楽曲に関しては元ネタの解説、関わった楽曲の一覧、日本における活動の記録など、アルフレッド・リードについて調べたり研究したりするなら必携となるであろう1冊。 今度、アルメニアン・ダンスを演奏することになったので、調べもの目的で購入。 アルメニアン・ダンスは中学生の時に吹いた以来で約20年振りに演奏するが、今でもその面白さは変わらない。

伊藤康英、鈴木英史、滝澤尚哉『吹奏楽作品 世界遺産100』(音楽之友社

www.ongakunotomo.co.jp

吹奏楽の愛好家たちの記憶に留めておいてほしい吹奏楽作品100曲を、世界の音楽家・演奏家たちの意見をもとに厳選。後世に末永く受け継がれゆく名曲の数々を、気鋭の作曲家・バンドディレクターの3人が、詳細な資料にもとづいて解説する。

タイトルや見出しはやや仰々しいものの、カタログ的に眺めると楽しい本。 個人的な趣味だとやはりイギリスの作曲家による古典的な吹奏楽作品が吹きたい。

清水俊史『お布施のからくり 「お気持ち」とはいくらなのか』(幻冬舎

www.gentosha.co.jp

法事の際にお布施の額を僧侶に尋ね、「お気持ちです」と言われて困ったことはないだろうか。仏教の教えでは「お布施」はサービスへの対価でなく「善業」(よい報いを生むもとになる行為)だ。大事なのはお布施をしたいという「意思」=お気持ちなので、僧侶の側から金額を示すことはない。 だが、禁欲や財産放棄などの「戒」が守られない日本仏教では、お布施を受けるに値する僧侶は存在しないとも言える。そんな中でのお布施とは何なのか。 お布施のモヤモヤを解き明かし、形骸化した現代日本仏教に問題提起する一冊。

清水先生による日本仏教に関する新書。 「お布施のからくり」とあるが、それはタイトルおよび本書のテーマの一部であり、本質は日本におけ僧侶や仏教に関する話題である。

ブライアン・カーニハン『カーニハンのUNIX回顧録』(丸善出版

https://www.maruzen-publishing.co.jp/book/b10137109.html

Unixは1969年にAT&Tベル研究所で誕生して以来コンピュータ技術の歩みそのものを変え,今日,その派生物は社会に欠かせない数多くのシステムの中核にある.

本書はUnixの起源に目を向け,Unixとは何であり,どのようにして生まれ,なぜ重要なのかを説明しており,コンピュータあるいは発明の歴史に興味のある人なら誰にでも読んでもらえるように書かれている. Unixの物語は,ソフトウェアの設計と構築,そしてコンピュータの効果的な使用方法について多くの洞察を与えてくれる. また,技術革新がどのように起こるのかという,関連した興味深い物語もある.

なぜUnixはこれほど成功したのか? それは二度と起こりそうにない特異な出来事だろうか? これほど影響力のある結果は計画しうるのだろうか? コンピュータの歴史において特に生産的な形成期にあった時代の素晴らしい物語のいくつかを本書で伝えたい.

カーニハン先生によるUNIX回顧録UNIXの栄光と挫折とも読める内容で非常に面白かった。

島本和彦『締切と闘え!』(筑摩書房

www.chikumashobo.co.jp

人生には締切がある。

苦しい時こそニヤリと笑え! 締切(ほとんど)守って40年。熱血漫画家が教えるスケジュール管理、ピンチを乗り切る方法、そして生き方。

島本先生らしい熱い内容だが、何かしらの講演かインタビューの文字起しを整理してできたような本である。

泉秀一『アフリカから来たランナーたち』(文藝春秋

books.bunshun.jp

生きるためには走るしかなかった―― 箱根駅伝「花の2区」を駆け抜けたケニア人留学生たちのドラマ。

箱根駅伝のエース区間「花の2区」を誰よりも速く駆け抜けたにもかかわらず、私たちは彼らの家族、兄弟、故郷、友人、そして来日の方法などについて何ひとつ知らない。正月のテレビ画面に「見えている」のに「視えない存在」――ケニア人留学生の謎を追ってアフリカの大地を訪ね歩いた。

箱根駅伝を始め、実業団、高校駅伝にいる留学生・外国人ランナーに関するノンフィクション。 話題がやや発散しているのがやや気になる。 ランナー個人のドラマは本来不要な気がするが、筆者の思いとしてはむしろそちらがメインなのかもしれない。 個人的には、この本の白眉は2章「「人買い」と呼ばれた男」と3章「幻の名門校「ガル高」を探して」であり、この2章でケニア人留学生の構造がかなり見えてくる。 ニューイヤー駅伝箱根駅伝を視聴する前に、3章までを読んでおくと、正月の名物がまた違ったものに見えてくると思う。 社会人スポーツや学生スポーツにおける留学生・外国人選手の実態も知りたくなってくる。 特に、社会人のアメリカンフットボールXリーグ)にいる外国人選手はなぜ日本でプレーしようと思ったのか、調査報道的な読み物があるとうれしいのだが。