何かを書き留める何か

数学や読んだ本について書く何かです。最近は社会人として生き残りの術を学ぶ日々です。

新宿紀伊國屋で感じたあれこれ

人には各々好みの書店がある。 東京近辺在住のコンピュータ系統の人が好きな書店はジュンク堂池袋本店(偏見)(サンプル数少ない)だが、私は新宿紀伊國屋が主戦場である。 大学が調布にあったので、新宿乗り換えで通学していた。京王とJRの乗り換え通路が狭くて嫌いだったので京王新宿で下車することが多く、その足で新宿三丁目紀伊國屋に向かっていた。 就職して新宿に行く機会が減るかな、と思っていたが何ら変わることなく向かい続けていた。

新宿紀伊國屋で最近感じた事柄について、書き散らかしてみる。

3F 宗教本コーナーの展示

2018年12月にキリスト教の聖書の新しい日本語訳である「聖書協会共同訳」が発売された。 協会も気合が入っているのか、聖書協会主導の聖書翻訳の歴史を説明するパネルが展示してあった。 その歴史の流れとして、ギュツラフ訳、明治訳・大正改訳(文語訳)、口語訳、新共同訳、聖書協会共同訳であった。 お気づきだろうか。そう、口語訳と新共同訳の間にあるはずの共同訳に触れていないのである。

共同というのは、カトリックプロテスタントの共同のこと。 これはフランスのエルサレム聖書の成功が背景にある(田川建三『書物としての新約聖書』に詳しい説明)。 共同訳にまつわる話は『書物としての新約聖書』を読んでもらうことにして、まあ、協会としては黒歴史だったんだなあ、と感じた。 聖書協会からは文語訳、口語訳、新共同訳、聖書協会共同訳が販売されているが、共同訳は絶版となっている。 一応、講談社学術文庫から出ているので、読もうと思えば読める(が、品切れ?)。

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聖書協会共同訳は引用と注付き、とあるが、田川先生訳と比べるとなんというか...。 田川先生訳並の訳注がある、学術的にきちんとしている旧約聖書が欲しいのだがあるのだろうか...。 新共同訳と略解を買えということだろうか...。

4F プログラミング言語棚の移動

コンピュータ書籍、以前は3Fにあったような気がしたが今は4Fにある。 最近、プログラミング言語の棚に変化があった。 大きく分けて、C言語Javaの棚といわゆるスクリプト言語系・クラウド関係の本の棚の配置が入れ替わった。 そして、スクリプト言語系の棚はPerlRubyPHPPythonと4者そろい踏みだったのが、今ではPHPPythonのみ、Rubyプログラミング言語一般の棚に集約、Perlに至っては本が見当たらなかった。 Pythonの本が出版されすぎという話であるが、Perlオライリーの『初めてのPerl 第7版』を最後に出版されていないのではという疑いがある。

以前、「日本語で書かれたドキュメントの乏しさ」と書いたが、3, 4年でここまで変わるとは思っていなかった。 もう少しRubyと拮抗するかな、と思っていた。 ちょっと前まではPythonができる人は少なく、それなりに貴重だったが、これからは珍しくなくなるのだろう。

追記(2019年2月5日)

本当にPerlの本が存在しないのか、不安になって後日改めて4Fのプログラミング言語の棚を調べた。 結果、「クラウド・インフラ」の棚にひっそりとPerlの本が置かれていることがわかった。 存在感が多少薄くなってしまったが、Perlは健在であった。