何かを書き留める何か

数学や読んだ本について書く何かです。最近は社会人として生き残りの術を学ぶ日々です。

『ポピーtheぱフォーマー』全作解説

はじめに

『ポピーtheぱフォーマー』という作品をご存知だろうか。2000年に増田龍治氏により製作された3DCGアニメーションであり氏のデビュー作である。 ヴォルフサーカス団の見習いクラウンのポピーと助手であり仮面を被ったオオカミのケダモノが繰り広げるドタバタサイレントコメディー、と書くとほのぼのしている印象を受けるが実態は嫉妬や欲望、そして狂気に塗れた作品の連続である。残酷な描写も多々あるがユーモラスな演出により暗い印象を与えず笑いを与えている。

現在では「検索してはいけない言葉」の1つとして有名かもしれない。なぜ検索してはいけないのか。それはただ単純にその残酷な描写だけに目を向けて中身を見ていないからこそ「検索してはいけない言葉」となっているのではないかと私は考えている。『ポピーtheぱフォーマー』の面白さは残酷な描写の裏にある人間が持つ暗い感情、嫉妬や欲望、そしてそれからでてくる狂気を描いていることにある。それを見逃してはならない。それを知らずに「検索してはいけない言葉」のリストに入っているから止めておこう、というのは実にもったいない。

氏は自身の作品ページにて次のように述べている。

争いと破壊。

理想の自分をやたらと追いかけて、さらに他者との比較による競争心を持つことにより、人間は、いつも周りを巻き込んだ破壊を引き起こす。「誰よりも自分がトップでありたい」という思考が周囲を敵に見てしまい、意味のない争いを作り出して自滅する。

そうした人間の内側にある狂気をユーモラスに表現して笑った作品。競争社会に翻弄されて自滅していく現代人の精神でもある。

Ryuji Masuda -増田龍治公式ホームページ-THEFOOL Inc.

『ポピーtheぱフォーマー』は是非検索して調べて、可能ならばDVDを買うべき作品である。 そこで今回は『ポピーtheぱフォーマー』全話解説に挑んでみたい。

作品の分類

『ポピーtheぱフォーマー』は全39話あり、大きく分けると次の3つに分けられる

  • パピィが登場しない(「MAGIC」から「DANCE」まで及び「VS GOD」)
  • パピィが登場する(「GREAT MAGIC」から「TIME」まで、「VS GOD」を除く)
  • 「FACE」(最終話)

あくまでも主人公はポピーとケダモノであるが、ポピーの父親かもしれない謎の存在パピィが登場したことにより『ポピーtheぱフォーマー』は彩りを増した。 勿論パピィが登場しない回も面白い。 そして最終話「FACE」だけ別にしたのは余りにも特殊な回であるからである。

作品解説

以下、ポピーザぱフォーマー☆カウントダウンホームページから各話の粗筋を引用した。

「MAGIC」(マジック)

ポピーは嫌がるケダモノに対して、胴体切断という大魔術を実験。 しかし、結果は大失敗。 ケダモノは胴体切断のまま生きながらえるという不憫な姿になる。 ポピーは、困ったふりしながらも、そんなケダモノの姿を見て、 テントの影で大笑いしてしまう。ケダモノは、そんなポピーに対して…。

記念すべき第一話。第一話の段階でポピーの行動にケダモノが巻き込まれるストーリー、耳にこびり付くBGM、テーマソングと共に描かれる我々の想像を上回るオチという基本形が出来ている。見所は的確なBGM、ケダモノの多彩な表情、一転して無表情で復讐を遂げるケダモノ。

「LIMBO」(リンボー)

リンボーダンスを練習しているポピー。 しかし、なかなかうまくいかない。 壁の落書きたちも、そんなポピーに対して、ブーイングをとばす。 いや、ポピーの耳には、無機質な落書きから、そんなブーイングが聞こえてくるのか?(笑) 代わりにケダモノがリンボーに挑戦するが、こちらは上手くいく。ポピーの中のメラメラと嫉妬の炎が、リンボーの炎に…。

ケダモノの立場は一応ポピーの助手となっているが実はケダモノの方が曲芸の才能がある。それにポピーは嫉妬して攻撃を行うのである。 「LIMBO」は「MAGIC」とは打って変わって不気味なBGMであり終始暗いがオチはとても明るく終わる(ハッピーエンドではない)。 見所は嫉妬に燃えるポピーと本当に燃えているリンボー。それにしてもケダモノはすごい。

「ACROBATICS」(曲芸) 

雑技なのだろうか?円柱の箱にすっぽりと入っていくポピー。 しかしそこに突然の夕立。ポピーは雷雨の中、円柱の箱から出られずに大慌てになる。 心配したケダモノがなんとか手をかそうとするが、それがかえって大変な惨事になっていく…。

第三話にして早くも走馬灯現象が登場する。 何だかんだあってもポピーとケダモノって仲がいいんだなあと思っていたらケダモノがフライドチキンを見つけてその様子が一変する。 見所はフライドチキンを見つけたケダモノの行動。

「KNIFE THROWAR」(ナイフ投げ)

辺りをキョロキョとうかがって、挙動不審なケダモノ。 ポピーがその後を追うと、ケダモノがナイフ投げの練習をしていた。 平凡なナイフ投げの練習に見えるのだが、ケダモノのナイフによって削られた的は、なんとポピーの形になってしまった。 怒ったポピーは、ケダモノ本人を血に飢えたナイフの的にしてしまう…。

ケダモノの恨み、ポピーの狂気、想像を上回るオチ。 『ポピーtheぱフォーマー』を見るかどうか迷っている人には「KNIFE THROWAR」を薦めたい。 この作品で腹から不気味な笑いがこみ上げてきたら『ポピーtheぱフォーマー』は向いている。 気分が悪くなった人は残念ながら向いていない。 見所は妙案を思いついたポピーの一投、そしてオチ。

「FIRE BREATHER」(火吹き)

火吹きの練習をしている。 最初は、うまくいき、ケダモノにも拍手をもらっていたのだが、ガソリン(?)を飲み過ぎたポピーは、お尻から火を吹きながら星空へと上がってしまう。 そしてあろうことか、そのままUFOに激突だ…

宇宙人グレイが初登場。ガソリンを飲んで火を入れると尻から火が吹き出てくるという発想はすごい。ポピーの体は相当丈夫である。 そしてさり気なくケダモノのポピーに対する冷めた態度が垣間見れるのもこの回のポイントである。 見所はケダモノが二度見するところ、ポピーがグレイに追い討ちをかけるところ。

「PANTOMIME」(パントマイム)

ポピーとケダモノ、パントマイムの練習にいそしむ。 思いがけないことにケダモノのパントマイムは天才的。 パントマイムの技もどんどんエスカレートしていく。 嫉妬心からか、そんなケダモノに攻撃をしかけるポピー。 パントマイム 対 爆弾の戦いがはじまる。

この回を見て以来、駅前で行われているパントマイムが大したことないと思うようになってしまった。 だって車のパントマイム、階段を登るパントマイムなんて出来ないでしょう。 発想豊かなケダモノのパントマイムには脱帽するほか無い。 見所は見事なパントマイムとオチ。

「KARATE SHOW」(空手ショー)

空手の練習をしているポピー。 しかし、ケダモノは自分の誕生日祝いに夢中で、練習には加わっていない。 そんな時、ケダモノの誕生日ケーキがカエルに食べられてしまう。 ポピーの空手技でカエル退治がはじまるが、とんでもない方向に…。

カエル初登場回。見事にポピーとケダモノを振り回す。 カエルに乗っ取られた(?)ポピーがケダモノに襲い掛かるという恐ろしい展開。 ケダモノは華麗に解決するがオチは…無残というほか無い。 見所はケダモノの誕生日ケーキ、カエルの白刃取り。

「FIRE RING」(火の輪くぐり)

ケダモノに無理矢理、火の輪くぐりをやらせようとするポピー。 しかし、おびえるケダモノは、なかなか火の輪をくぐれない。 ご褒美には、大好物のフライドチキンがもらえるというのに。 ケダモノは、とっさにある計画を思いつく。 楽してチキンだけかすめ取ろうとするその計画とは…。

ケダモノが考える計画は一見杜撰としか言いようが無いがアンパンマンにおけるバイキンマンの変装のように突っ込まないのがお約束なのかもしれない。 またはポピーがケダモノのことをそう認識しているのかもしれない。 見所はカエルが無残にも焼けるところ、そしてオチの不思議な光景。

「MIMIC」(ものまね)

つないだロープにずらりとお面を干しているケダモノ。 ポピー、それに興味をもったのか、ケダモノが手入れしていたゴリラのお面をひったくり、自分の顔に装着させた。 すると、まるでゴリラのように変化してしまうポピー。 暴れ回るポピーからゴリラ面を取ろうと思ってもなかなか取れない。 困り果てたケダモノは…。

ケダモノとお面の関係を考えさせる不思議な回。 お面はケダモノの表情を表しているのか、それともお面に準じてケダモノが行動しているのか、他の回を見ると前者のはずであるが果たして…。 ロボットに裏切られるSF要素やあり意外と深い回である。 見所はロボットとの対決、恐ろしいオチ。

「GUNMAN」(ガンマン)

夕焼けの空の下。地面に伏して横たわるポピー。 身動き一つしない彼に何が起こったのか? ケダモノは黙って紅茶をすすっている。 やがて、ケダモノの回想がはじまる。 そう、最初は仲良くビール瓶の撃ち合いを楽しんでいたポピーとケダモノだった…。

一番好きな回。なんといってもテンポが素晴らしい。後半(ポピーのマシンガン乱射)からオチまで一気にテーマソングに乗せて駆け抜ける。 前半も想像を絶する発想に爆笑するほか無い。物理法則なんて無かった(または反発係数が1、または外部からエネルギーが与えられている)。 見所は弾丸の飲み込んでしまったポピーの脳内映像、後半全部。

「SWALLOWER」(飲み込み芸)

ナイフを空中に放り投げ、それを飲み込んだと思ったらいきおいよく口から放出するポピー。 ポピーの変な技に思わず拍手するケダモノだが、いい気になったポピーは、長剣を取り出して飲み込んでしまう。 しかし、長剣は、彼の口から尻までを無情に突き抜けてしまう…。

『ポピーtheぱフォーマー』はキッズステーションで放送されたが、その際放送されなかった回、つまり放送自粛回が2回存在する。 その内の1つが「SWALLOWER」である。全編を通してもの悲しいテーマソングのヴァイオリンバージョンが流れ狂気に満ちたオチを含めかなり異色な回である。 正直、かなり不気味な回であるので数回しか見ていない。とにかく狂気に満ちたポピーが怖い。 見所は危機を救おうとするケダモノの澄ました表情、不気味な光景なオチ。

「ESCAPE SHOW」(脱出劇)

お腹がすいたケダモノにポピーが時限爆弾からの脱出劇をやろうと、誘う。 それをしぶしぶ顔で承知するケダモノだが、結果は失敗。 2人は、吹き上がる炎により宇宙に放り出されてしまう。そこで、懐かしの宇宙人グレイと再会するのだが…。

「ACROBATICS」と同様にお腹をすかしたケダモノの前に倫理感など存在しない。 ここでのグレイは前回とは異なり従来の宇宙人のイメージどおりの行動を行うが結局お腹をすかしたケダモノの前には無力であった。 見所はポピーの危機を一瞬救ったケダモノの顔、グレイにくれ騙しを喰らったケダモノの顔。

「DANCE」(ダンス)

ダンスをする2人。 しかし、調子に乗ったポピーは、ブレイクダンスにより両方の目玉を落としてしまう。 それをうっかり踏みつけるケダモノ。 あわてるケダモノは、ポピーの両目の代用品を捜しはじめる…。

「両目の代用品」という発想が既にすごい。写真を撮るケダモノのシーンに流れるBGM名が「ケモヤマキシン」というのがよい。 『ポピーtheぱフォーマー』にしては珍しいハッピーエンド。両目を失って本当にハッピーなのかは疑問が残るが楽しそうだからいいのではないだろうか。 見所はイカした顔で写真に写るポピー、平和なオチ。

「GREAT MAGIC」(グレートマジック)

いつものもようにケダモノを実験台にマジックの練習をしているポピー。 そこへパピィ登場。 パピィは、自分の身体をチェーンソーで切断し始める。

「パピィは、自分の身体をチェーンソーで切断し始める」、これだけでいかにパピィがとんでもない人物であるかがわかると思う。自己紹介もなしにいきなりチェーンソーで自分の胴体切断を行うなんて…しかもこれが放送されたとう事実もすごい。 見所はパピィの登場シーン、狂気に囚われたポピー。

「MIRAGE」(蜃気楼)

パントマイムは、ポピーよりケダモノの方が得意。 それを見たパピィは、ポピーを砂漠地帯へと爆弾で吹き飛ばす。 灼熱の砂漠。彼らは、いつしかオアシスの蜃気楼を見ることになる。

蜃気楼というより幻覚を見ているのではないだろうか。極限まで追い詰められたポピーはケダモノクラスのパントマイム術を身につけた…のかもしれない。 そしてにしてもパピィは何者だ。 見所は極限まで追い詰められたポピー。

「STOP THE GUN」(弾丸止め)

歯で弾丸を止める練習をしていたポピー。 しかし、調子に乗りすぎてバズーカーで頭が吹き飛んでしまった。 この失敗を防ぐために、ケダモノは時間を超える旅に出かけるのだが…。

どうやったらバズーカの弾を歯で止めることができるのだろうか。 必死に過去を変えようとして余計に変な方向へ現実を変えてしまうケダモノの様子がおもしろおかしい。 見所はオチ。一体何人いるんだ…。

「POISON」(毒薬)

ポピーよりもアクロバット芸のうまいケダモノ。 それに嫉妬したポピーは、サソリの毒針でケダモノを突き刺す。 だが、手違いで毒は自分にもまわりはじめる。そこで、パピィのとった行動は…。

世の中には絶対に譲れないことがあり、きっとポピーは「パピィのとった行動」が命を捨ててでも嫌だったのかもしれない。 そして命の恩人(?)であるパピィを蔑ろにしたポピーにはそれ相応のオチが待っているのであった。 見所は「パピィのとった行動」。

「ELEPHANT」(ゾウ)

ゾウのパオラをうまく乗りこなしているケダモノ。 ポピーも「ゾウ使い」の夢が膨らむのだが、パオラは、ポピーを背中にのせたがらない。 ムキになっていくポピー。

さらっと「ゾウのパオラ」と言ったが本当に象なのかは不思議なところであるが作中では誰もそのことについては疑問を持たない。 この謎は後の「MY CAR」で更に膨らむことになる。 見所は露骨にポピーを嫌うパオラ、オチ。

「DREAM」(夢)

綱渡りの失敗で落下するポピー。 その下にいたケダモノも巻き添えにして、二人して気絶。 そのまま、夢を見ることになる。 パピィは、何かとその夢にちょっかいを出し始めるのだが…。

この回はBGMが今までのとは異なりアジアっぽい?雰囲気を醸している。 『ポピーtheぱフォーマー』が単なるシュールなアニメではない、ということを教えてくれる傑作回である。 見所は溺れるケダモノ、オチ。

「HYPNOTISM」(催眠術)

パピィがケダモノに催眠術をかけ、小鳥にしてしまう。 物陰からそれを目撃してしまったポピー。 やがて、親子の催眠術合戦がはじまった…。

話の構成が素晴らしい回。催眠術合戦は単純に見ていて面白い。 親子合戦はポピーが勝利したかに見えたがパピィの執念の前には…。 見所は親子合戦とオチ。あれ全部?ストーリーの構成も上手い回でもある。

「SUPER STRENGHT」(怪力芸)

バーベルを持ち上げるポピー。 しかし、パピィの怪力はさらに上手だった。 くやしがるポピーは、ドーピングを決行。 エスカレートしていく親子の怪力対決。

親子対決第二弾。催眠術対決では互角であったが怪力対決ではドーピングをしている分ポピーが不利であった。 ツッコミが追いつかないまま話がどんどんエスカレートし最後は地球が… 見所はドーピングを打つポピー。

「PREDECTION」(予言)

パピィの水晶玉に映し出されたポピーの近未来。 それはとても幸せなモノだった。 ケダモノも興奮して、その幸せにあやかろうとするが…。

暫く脇役に徹していたケダモノが活躍する、というより彼の欲望が全開となる回。幸せにあやかる、というより奪い去ろうというのが正しい。 見所は平然と吹き矢を取り出すパピィ。

「GHOST」(幽霊)

ケダモノの失敗により、芸の途中で死んでしまったポピー。 その夜、なま暖かい風と共に死霊のポピーが甦ってきた。 ケダモノ危うし…。

むしろ何故今まで死んでなかったんだろうという疑問が湧いてくる回。 今までのシュールっぽさとは異なりホラーな回であるがパピィの前にはそんなものなど無力であった。 見所はケダモノを救うべくとったパピィの解決策。

「MEDICINE」(くすり)

体調を崩しているポピー。 パピィとケダモノは、薬を作って治療にあたるが、どれも失敗。 仕方なく、科学技術の発達した宇宙人を呼び出すことにしたのだが…。

今までは宇宙空間に飛び出すしかグレイを呼ぶ方法が無かったのだが、パピィが登場したことにより地上からでも呼ぶことが出来るようになった。 呼び出したところで、科学技術など使わないのだが…。 見所は息絶えるポピー、マナーよくスープを飲むケダモノ。

「SAMURAI」(侍)

凄腕の侍は、事前に相手の動きを見切って勝負に挑む。 予測される相手の攻撃・・・しかし、パピィとポピーの剣術試合は、予測をはるかに超えて妄想の域に達していた。

最初見たときは一体何の話か全くわからなかったがこの粗筋を見てやっと理解できた気分になった。 妄想を両者で共有できてしまうのがすごい。 見所はお腹をすかしたケダモノがとった解決策、つまりオチ。

「MONOCYCLE」(一輪車)

一輪車の練習に夢中なポピー。 しかし、そのせいで一輪車に轢かれてしまう者たちが続出。 これではいけないと、ケダモノは一輪車を空高く捨ててしまうのだが…。

一輪車の車輪の音が不気味に響き渡る回。パピィも一輪車には勝てず無残にも轢かれてしまう。 見所はオチのBGMがスムーズに入れ替わる箇所。

「KNIFE GAME」(ナイフゲーム)

テーブルの上に手をおいて、指のあいだにナイフを突き刺していく。 そんな危険な芸に挑戦するポピーたち。 突き刺したナイフのカタ通りにテーブルが切り取られると、なぜかパピィが笑う。 いろいろ試していると、カエルのカタを抜いたときだけ、パピィが 怒るのだ…なぜ?

放送自粛回2つ目。こちらは打って変わってシュールであるがやはり残酷描写であることは変わりない。 刃物が出てくる回は単純に刺さったり切れたりするだけであるが、放送自粛回では血が出たり微塵切りにされたりとキツい描写が多い。 「KNIFE GAME」がキツイならば「SWALLOWER」は控えたほうがよい。 見所はオチ、であるがキツイ描写であるので気をつけること。

ALIEN」(異人)

玉乗りの芸をするポピーとケダモノだが、なかなか上手くいかない。 そこで、パピィは宇宙人を呼んで、彼に玉乗りをやってもらおうとするが…。

グレイがとうとう主役に躍り出たが、それに対する3人の仕打ちは冷たいものであった。 オチにおけるグレイの行動は「FIRE BREATHER」でやられた仕打ちに対する反撃とも言えなくもない。 見所はグレイを呼ぶシーン、オチ。

「DARK SIDE」(ダークサイド)

スイカ割りが調子に乗って、太陽を半分に割ってしまったポピーたち。 画面半分が暗闇の中で、彼らは光の面と闇の面を垣間見せていく…。

イデアが秀逸な回。パピィとなれば太陽を割ることなど造作も無い。 「FACE」につながるケダモノの謎、「ELEPHANT」の恨みを晴らさんとするポピーの狂気、奇想天外なパピィなど見所は沢山。 一番の見所はポピーの闇の面。

「VS GOD」(敵は神様)

いつものようにポピーに八つ当たりされるケダモノ。 ケダモノは、その悲しさから砂漠に落ちている仮面の石像に祈りをささげる。 その祈りが届いたのか、石像の目が開いてビームが発射。ふきとばされるポピー…。

パピィが登場しない回。ケダモノも食欲さえ制御すれば神の怒りに触れなかったのに… 見所はオチのポピーのお尻。

「SLEEP」(眠り)

パントマイムのロボットができないポピー。 理由は、そのまばたきにあった。 ポピーは、いきおいあまって自分のまぶたを引きちぎってしまうのだが、そのせいで夜に眠れなくなる。

まぶたを引きちぎることによりロボットは成功するのだがその代償は大きかった。 寝かせてあげようとするケダモノの行動はとてもやさしいのだが、それによるパピィの想像を絶する行動は予測していなかっただろう。 見所はパピィの表情。オチは少しグロいので注意。

「IN THE MIND」(心の中は)

芸の練習をしていたケダモノだか、失敗して壁に頭をぶつけてしまう。 ぶつけたショックで、ケダモノの頭の周りを小鳥が飛ぶのだが・・・。 あろうことか、パピィは、その漫画表現の小鳥を食べてしまった。 美味しそうに食べているパピィを見て、ポピーもケダモノの頭を叩いてみるが…。

ツッコミが追いつかない傑作回。パピィの頭を叩くと…それは末恐ろしい無限ループが…。 見所は後半。

「MIRROR」(鏡の世界)

自分の芸の失敗をケダモノに八つ当たりするポピー。 ところが、自爆して吹き飛んだ時に鏡にぶつかり、そのまま鏡の世界に入ってしまう。 そこでは、ケダモノがポピーに八つ当たりしていた…。

鏡の世界にパピィは存在しないがそれはあまりにも特異な存在であるからその逆が存在できないから、だろうか。 見所はにらめっこ合戦。

「OPENING」(オープニング)

主題歌が流れるいつものオープニングシーン。 それを再演しているポピーとケダモノだが、いまいち上手くいかない。 そこで、パピィが彼流の演出をほどこすのだが…。

これまたツッコミが追いつかない傑作回。 パピィ流の演出は恐らく誰も理解できない。この回以降オープニングが新しくなる。 見所はサソリのカップル愛に感動したパピィの不可解(?)な行動。

「MY CAR」(愛車)

カー雑誌を楽しそうに見ているポピーだが、車があまりに高額なので、がっかりとした様子。 そこにパピィがパオラに乗ってやってきた。 パオラの整備にいそしむパピィを見て、ポピーは、よからぬことを企む…。

この世界の車がやたら高額な理由は、恐らくこの回に描かれる様子が理由になっている。つまり誰かの命が原動力になっている。 パオラも元々は普通の象だったはずで、何者かによって今の形になってパピィの所有物になったのだと思われる。 中々に恐ろしい世界であるがパピィのパオラに対する愛情はホンモノである。それ故パオラを救うべくケダモノに対してとった行動は恐ろしい。 見所は逃げるポピーを見つめるパピィ。

「ERASER」(消しゴム)

消しゴムを拾うケダモノ。 その消しゴムは、色んなものを消すことができる。 芸の練習をしようと、しつこく追い回すポピーをも消すことに。 成功したケダモノなのだが、彼に平穏はやってこなかった…。

「MAGIC」「GREAT MAGIC」と胴体切断にやたらと拘るのは何故だろうか。 ケダモノを救うべくパピィは身を投げ打って救おうとするのだが結局救えないのであった。 見所は見えない敵に対処するケダモノ。

「LONELINESS」(独り)

マジック芸の練習中に消えてしまうパピィ。 そのパピィを捜して、去ってしまうケダモノ。 昼寝から目覚めたポピーは、広場に誰もいないことに気づく。 やがて、少しづつ積み重なる寂しさがポピーを狂わせていく…。

狂気の末に幻覚を見始めるポピー、ケダモノの介入を退けて一人解決を試みるパピィ、そして孤独になるケダモノと、登場人物全員が孤独になるという回である。 見所はやはり幻覚を見ているポピーであろうか。

「TIME」(時間)

いつものようにポピーに八つ当たりされているケダモノは、またも仮面の神様に祈りをささげる。 すると、神様から時間を操れる時計をもらうことができた。 ケダモノは、それでポピーに復讐するのだが、珍品好きのパピィの目が光る。

「VS GOD」と始まりは全く同じであるが、今回はパピィがいるのである…。 流石にフライドチキンで懐柔しようとするパピィの行動を退けるケダモノであったが、パピィの策略には勝てないのであった。 見所はパピィの髭が増殖するシーン。

「FACE」(仮面の下)

夢の中で、ケダモノの素顔を見損ねるポピー。 現実世界で目覚めるが、どうしても仮面の下が覗きたくなる。 やがて、ケダモノの方が奇妙な行動をとりはじめる。 テント裏で仮面を外し、顔を洗うケダモノ。 その素顔をポピーが見る前にカエルが見てしまった…。

『ポピーtheぱフォーマー』はドタバタサイレントコメディー、という前提を覆すほどカエルは驚いたのである。 見所はすべて。

最後に

長々と述べたが、言いたいのは『ポピーtheぱフォーマー』は決して検索してはいけない言葉ではなく、是非見て欲しい作品である。