何かを書き留める何か

数学や読んだ本について書く何かです。最近は社会人として生き残りの術を学ぶ日々です。

『Pythonではじめる教師なし学習』の査読を担当しました

その先の機械学習

2020年4月13日にオライリージャパンから『Hands-On Unsupervised Learning Using Python』の邦訳 『Pythonではじめる教師なし学習』が発売される。

www.oreilly.co.jp

この度、邦訳の査読者として参加させていただいた。 オライリーの方から話があったのは2020年1月であった。

機械学習を学ぶと最初に登場するのは教師あり学習であり、巷の機械学習本は教師あり学習が必ず登場するが、『Pythonではじめる教師なし学習』は教師なし学習がメインである。 実践的な題材を通して教師なし学習を学ぶことができる本である。 1つ注意するべき点として、採用しているライブラリにTensorFlowがあるが、本書で採用されているバージョンが1であり、現時点で推奨されているバージョンは2である。 読み進める際には注意してほしい。

応用的な題材を具体的な例で説明し、サンプルも多いので教師なし学習の可能性を見つけるために最適な1冊である。

PyCon mini Shizuokaにオンラインで参加しました

久しぶりの静岡、初めての藤枝、になるはずだった

2020年2月29日に藤枝 BiviキャンにてPyCon mini Shizuokaが行われる予定であったが、新型コロナウィルスの影響でオンライン開催となった。

shizuoka.pycon.jp

shizuoka.pycon.jp

今回、『君はcmathを知っているか』という題目で発表を行った。

speakerdeck.com

発表内容

発表内容としては、過去のエントリ「cmathモジュールのジレンマ」や「cmathとmatplotlibでMandelbrot集合を描画する。」 を下敷きに、改めて考えたりしたものである。 過去の結論は「帯に短し襷に長し」であったが、今回の発表では離散Fourier変換の実装も(SciPyのfftpackのドキュメントを大いに参考にしたし、高速Fourier変換ではないが)行い、わずかながらであるがcmathの可能性、 少なくとも学部のレポート課題程度をこなす能力はあるのでは、という認識である。 NumPyやSciPyだとブラックボックスになる部分を明示的に実装できる、というのも勉強としては非常に良いものである。

発表そのもの

発表について、機器のトラブルで音声が聞こえず、前半部分が無音だったといわれた。 担当者も急にオンライン開催となりここまで準備してくださったのにこのようなことを書くのは申し訳ないが、正直悲しい出来事だった。 前半部分が無音で人が離れてしまったのか、内容があまりにも需要がないものだったのか、発表がひどいからか、5分程度時間を余らせて質問の時間を確保したが結果として意味がなかった。 きつい質問が飛んでくるほうがまだ楽しくて、何ら反応がないのは結構精神に来るものがある。

感想

色々な不運が重なった結果、静岡にも行けず、発表も満足にできず、結果は不満が残るものになった。 せっかくのイベントなのにきちんと発表ができなかったのはやはり辛い。 ここ最近、辛いイベントが相次いだのでそれと合わせてかなりダメージを負っている状況である。 しばらく外出もできない雰囲気なので、横になって体を休めたい。 そして、いつか行われるであろうカンファレンスに行きたい。

『データサイエンス設計マニュアル』の査読を担当しました

統計学と計算機科学の枠を越えたデータサイエンス

2020年1月28日にオライリージャパンから『The Data Science Design Manual』の邦訳 『データサイエンス設計マニュアル』が発売される。

www.oreilly.co.jp

この度、邦訳の査読者として参加させていただいた。 オライリーの方から話があったのは2019年11月であった。 原著はSpringerである。シュプリンガージャパンが邦訳書から撤退してからだと相当珍しい気がする。

筆者は『アルゴリズム設計マニュアル』などの著作がある計算機科学者である。 この手のデータサイエンス本は具体的なツール(Pythonなど)が目に見てわかりやすい応用が中心に書かれているが、 この本は理論よりではあるが理論と実践がバランスよく書かれている非常に面白い本である。

O'Reilly Mediaの最近の本は表紙がカラーとなり、オライリージャパンもその流れに乗っている(これはたぶんその流れの2冊目)。 データサイエンスで登場する概念を言葉で理論を説明しているので入門書としては硬派であるが、ぜひ読んでいただきたい。