何かを書き留める何か

数学や読んだ本について書く何かです。最近は社会人として生き残りの術を学ぶ日々です。

『eスポーツ選手はなぜ勉強ができるのか』を読んだ。

大学の同級生の活躍を感じる日々

2020年7月30日にすいのこ『eスポーツ選手はなぜ勉強ができるのか』(小学館)が発売された。

www.shogakukan.co.jp

大学の同級生の千葉君が編集ということ本書を知った。 大学や大学院の同級生が輝かしい活躍をしている中、僕はイマイチぱっとしないなと思いつつ、紀伊國屋に発注した。 久しぶり新書を購入して読んだと思う。

内容として、実際にプロとしてお金を稼いでいるプロゲーマー3名へのインタビュー、座談会、医師へのインタビュー、世界各国におけるeスポーツへの取り組みの紹介からなる。 筆者のすいのこ氏はあくまでインタビュアーに徹し、ときど氏、ネフライト氏、ふぇぐ氏のゲームに対する取り組み方や考えを引き出すことに力を置いている。 自身もプロゲーマーであるすいのこ氏であるからこそ引き出せたと思う。

ゲームでお金を得ている職業で代表的なのが囲碁将棋棋士であり、特に将棋棋士の著作は多く読んできたのだが、プロゲーマーの本は初めてであった。 プロゲーマーというと、賞金額や大会規模に目を奪われがちであるが、その人となりに迫った本はこれが初めてではなかろうか(もしかしたらウメハラ氏の本があるかもしれないが)。

一方、医師へのインタビューは、疑問に対してその医師の意見を述べるだけで香川県の例の条例で言われているほどゲームはひどいものではないですよ、という程度の主張しかなくてあまり読んでいて面白くはなかった。 世界各国におけるeスポーツへの取り組みの紹介もいわゆる出羽守なまとめ方でちょっと残念であった。 また、賞金と景品表示法などの法律を巡る話が一時期話題になっていたが、その辺の話題は一切無かった。 もう既に解決した話題なのだろうか?

これらを差し引いても前半のインタビューや座談会は(勉強ができるかどうかはともかくとして)非常に興味深いのでプロゲーマーへのインタビュー部分を目当てに購入して読む価値は十分あると思う。 次回作があるのか、どうかはわからないが、あるとするならばインタビューはもちろん、すいのこ氏自身の考えをもっと前面に出した本が読みたいと思う。