成功するまで何度でも繰り返す
先日、Twitterで以下のツイートを見かけた。
ふと確率αの事象が起こるまで試行を繰り返したときに試行の総回数の期待値がいくつになるか不安になって高校の知識をフル動員して解いたところ、変哲もない1/αという答えが出て徒労感に襲われている。
— Hiroshi Kurokawa (@hydrakecat) 2017年12月19日
直感的にはそんな気がするが、せっかくなので自分でも計算して徒労感を味わってみよう。
期待値の計算
とする。確率0ならば何度試行を行っても事象は生じず、確率1ならば試行回数の期待値は明らかに1回である。 事象が生じる確率をとすると、事象が生じない確率はとなる。
1回で事象が生じる確率は、2回で事象が生じる確率は、3回で事象が生じる確率はである。 この論法から、確率の事象が起こるまで試行を繰り返した場合の試行回数の期待値は となる。
この無限級数を計算すればよい。 なお、 より 級数は絶対収束する。
級数の計算
とする。 より、
.
以上より、
.
よって、確率の事象が起こるまで試行を繰り返した場合の試行回数の期待値はとなる。
考察
これは幾何分布と呼ばれる確率分布の期待値計算である。 計算したのちに幾何分布であることに気づいたのが恥ずかしい限りである。