何かを書き留める何か

数学や読んだ本について書く何かです。最近は社会人として生き残りの術を学ぶ日々です。

『NumPyによるデータ分析入門』の査読を担当しました

ありそうでなかったNumPy本

2019年9月27日にオライリージャパンから『Mastering Numerical Computing with NumPy』の邦訳『NumPyによるデータ分析入門』が発売される。 この度、邦訳の査読者として参加させていただいた。 オライリーの方から話があったのは2019年7月下旬であった。

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原著のタイトルは「NumPyによる数値計算入門」といった具合であるが、中身は邦題の通りNumPyやその周辺のツールを使ったデータ分析が主題である。 オライリージャパンからもすでに類書として『Pythonによるデータ分析入門 第2版』『Pythonデータサイエンスハンドブック』が出版されているが、 それらと比較するとコンパクトにまとまっていて、1冊読み切ったぞ!という達成感は得やすいと思われる。

NumPy周りを知るためにさっと1冊ほしい、というときにおススメである。 ぜひ手に取ってほしい。

『レガシーコードからの脱却』を読んだ。

知っていることと実践することは違うよ

オライリージャパンさんから『レガシーコードからの脱却』を頂きました。 ありがとうございます。

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本書は、レガシーコード(修正や拡張が難しいコード)をどうするかというより、そもそもレガシーコードを生み出さないためにはどうすればいいのか、というのを主眼に、 9つのプラクティスを解説する、という本である。 また、単純にプラクティスを実践するのではなく、その背景にある原則を理解する必要があると説く。 そのため、プラクティスの細かい技術的な説明よりも背景にある原則の説明に力点がある。

9つのプラクティスは目新しいものはなく、自分の経験上別の本で繰り返し語られてきたもので、『レガシーコードからの脱却』から「新たに」知った概念は無かった。 しかし、知っているからといって実践できているかといわれると相当怪しいものである。 例えば、日々の業務で継続的インテグレーションや継続的デプロイはできている、と思っていたが本当にできているのだろうか不安になってきた。 また、自分の過去を振り返ると技術的プラクティスの習得が怪しい。 仕事を始めてから最初の2年間(1社目にいたころ)は危機感からその手の技術的プラクティスが書かれた本を貪り読んだが、それを実践できているのか。

普段から技術書を読んでいる方にとっては目新しいことが書かれていないが、1冊にコンパクトにまとまった本でこれを出発点に参考文献をあたるとよいのではと感じた。 エクストリームプログラミングとかアジャイルとかできているよ、と思っている人にもぜひ読んでほしい。

Pycon JP 2019に参加しました。

ブースのお守り

2019年9月16日、17日にPyCon JP 2019のカンファレンスが行われた。 2014, 2015, 2016, 2017, 2018に続いて6回連続6回目の参加である。 今回は2回連続2回目のスポンサーブースの主担当者として参加という今までとは趣が異なる立場でのPyCon JPであった。

過去はブース担当者でもいくつか講演を聞いていたが、今年はずっとブースにいた。 自社のブースを見守ったりほかの会社のブースを冷やかしに行くのが今年のPyCon JPであった。 自社のブースに関しては、ここでいろいろ書くよりも会社のブログに書いたので、そちらをご参照いただきたい。

iridge-tech.hatenablog.com

CfPにもいくつか応募していたが1つだで補欠となりそれ以外は選ばれなかった。 そのうちの一つをPyCon mini Hiroshima 2019で発表する予定である。

そういうわけで、このブログに書く感想文は従来よりもひどく短いものになったが、決してつまらなかったことはなくとても充実した2日間であった。 来年は例年よりも半月ほど早い2020年8月28日・29日にPiOで行われる。 どのような立場で参加するのかはよくわからないが、どの立場であっても楽しみたい。