何かを書き留める何か

数学や読んだ本について書く何かです。最近は社会人として生き残りの術を学ぶ日々です。

『数学者たちの楽園: 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち』を読んだ

Twitterかどこかで『数学者たちの楽園』の話を聞いたのでみんな大好き紀伊國屋書店新宿本店の4Fで購入した。 サイモン・シンは『フェルマーの最終定理』以来であろうか。『暗号解読』も読んだことがあるかもしれない。

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内容はアニメ『ザ・シンプソンズ』に埋め込まれた数学ネタ(理物もあったかな?)と脚本家たちに迫るドキュメンタリー。 扱われる数学ネタはよく知られているものばかりで1729という数字をみて、ああタクシー数はいはいという人には物足りないと思うが、それをアニメの中に埋め込んだ脚本家の話は中々面白い。

博士号を取った人間が脚本家になるという道はアメリカでもどれだけ一般的な人生なのかが気になった。 Monty Pythonの面々も弁護士だったり医者、歴史学者が紛れているから欧米ではインテリと呼ばれる人たちがコメディの世界へ入るのは一般的なのだろうか。 日本で大卒の芸人は見たことがあるけれども修士号、博士号の芸人は見たことがない。

大学である程度数学を学んでしまった人間には物足りないが高校生あたりにはかなりおすすめだと思う。 新潮社なので、そのうち新潮文庫入りすると思う。文庫ならぜひ買ってほしい。単行本だと…ちょっと高いので親か高校の司書さんにタレこんで買ってほしい。

『ホワット・イフ? -野球のボールを光速で投げたらどうなるか-』を読んだ。

みんな大好き紀伊國屋書店新宿本店の4Fを徘徊していたら本が目に入ったのでとりあえず購入した。xkcdの人だとは前書きあたりを読んでやっと気づいた。

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読者からの突拍子もない質問に対して物理や数学を駆使して真面目に答える本でとてもよかった。 昔、こんなのを読んだなと思ったら空想科学読本に近いものを感じた。 真面目に読むならば筆者が計算した結果を逐一検討してその結論が正しいのかというのを考えるのもよいが、 科学的にまじめに考えると面白い結論になるというエンターティメントの1つとして楽しむのが良いと思う。

原著のサブタイトルは「Serious Scientific Answers To Absurd Hypothetical Questions」で「不合理な仮定による質問に対する真面目で科学的な回答」と訳せるか。 原著のサブタイトルの方が好みであるがこれは出版社(早川書房)の判断であろう。

個人的には、「海から水を抜く」の章でオランダが侵略を開始するネタがおもしろかった(オランダ人への偏見を見たようで)。

『Effective Debugging』Item 4: Drill Up from the Problem to the Bug or Down from the Program's Start to the Bug

『Effective Debugging』の続き。己の限界。

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Effective Debugging

タイトルからしてどのように訳せばよいのか、己の英語力の限界を早くも感じてしまった。すでにItem 01で感じていたが…。 「問題からバグへのドリルアップ及びプログラムの開始時点からバグへのドリルダウンを行う」と無理やり訳してみたが、自然な日本語からは程遠い。内容はバグに対するトップダウンアプローチとボトムアップアプローチの使い分けの戦略である。

プログラムがクラッシュした、フリーズした、エラーメッセージなど原因が明らかに特定できるケースはボトムアップアプローチをまず採用する。 ブレイクポイントやメモリダンプを駆使して原因を突き止める流れとなる。 一方、パフォーマンス、セキュリティ、信頼性など原因が簡単に特定できない場合はトップダウンアプローチを取る。 全体を部分に分解して原因を調べる流れとなる。 また、一方の方法で行き詰ったら方向を切り替えてみることを勧めている。

冷静に考えてみれば、エラーメッセージが出るなど場所が容易に特定できないとボトムアップは自ずと限界を迎えるので確かにそうですねという話だが、当たり前のことを明文化して認識することが重要である。

僕には、デバッグに関するドメインの知識が足りず読むのに苦労しているのか、英語力がひどすぎるのか、両方か、どれだろうか。