広がる解釈の可能性
ソフトウェア開発やWeb開発の業界に身を置いていると、PMという略語を耳にする機会が非常に多い。 一般に、PMはプロジェクトマネージャーの略語として使われている。 現に、私もPMをプロジェクトマネージャーの意味で使用していた。
しかし、PMと呼ばれる人たちを注意深く観察していると、必ずしもプロジェクトマネージャーではない、別のPMが存在する、ということがわかってきた。 自ら経験した事柄、周辺の人たちとの雑談からPMの分類が出来ると思い、以下にまとめてみる。
【プロジェクトマネージャー】(Project Manager)
プロジェクトの計画・管理・遂行に関する責任者。
【プロジェクトメッセンジャー】(Project Messenger)
プロジェクトの情報伝達に関する責任者。 主に渉外を務め、先方の主張をそのまま伝えるのが主な役目である。 先方や開発側の主張を正確に伝えるTCPを採用しているPMからパケットロスが発生するIPを採用するPMまでプロトコルの選択にPMの個性が現れる。 先方の情報は通すが開発側からの情報は通さないファイアーウォールを導入しているPMもいる。
【プロジェクトミキサー】(Project Mixer)
プロジェクトをかき乱す責任者。 先方の要求を伝えない、仕様を毎日変える、リソース管理をしないなどかき乱す手法が豊富にあり、どの作戦を使うのかがプロジェクトミキサーの腕の見せ所である。
【プロジェクトマッシャー】(Project Masher)
プロジェクトを潰す責任者。 派手な所作が多くPMの華と呼ばれる。 プロジェクトの潰し方に個性が現れ、突然出社しなくなる「失踪」、関係者を恫喝して過重労働に追い込む「デスマーチ」など誰も幸せにならない手法が大半である。
【プロジェクトモッカー】(Project Mocker)
プロジェクトマネージャーのモックを務める人物。 プロジェクトを進行させるためにプロジェクトマネージャーを用意する必要があるが、コストが高くついたり用意できない場合に登場する。 一見、本物のプロジェクトマネージャーのような振る舞いをするのであるが所詮モックであり、インタフェースは存在するが定数を返すだけという場合がほとんどである。
【プロジェクトモブ】(Project Mob)
プロジェクトに紛れ込んだ人物。 会議や開発の風景として活躍する。
我々はどう立ち向かうべきか
PMを突き放すひどいエントリであるが、PMは一緒に開発をする仲間である。 少なくとも、悪意を持ってプロジェクトをつぶすPMは排除すべきであるが、変な方向に向かわないようにしていきたい。 また、プロジェクトモブは開発側の人間もなり得る。 関わっているプロジェクトには積極的に関わっていきたい。