何かを書き留める何か

数学や読んだ本について書く何かです。最近は社会人として生き残りの術を学ぶ日々です。

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』を読んだ。

新井紀子『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』を読んだ。 Twitterで三重大の奥村先生がお勧めしていたので財布を顧みず購入した。

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新井先生の本は昔『コンピュータが仕事を奪う』を読んでとても暗い気分になったことを覚えていた。 『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』は、前半こそ現時点での人工知能技術の能力と限界、東ロボくんプロジェクトなど興味深い内容であるが、後半の全国読解力調査とその結果の考察はやはり暗い気分になるものであった。

数学者らしく慎重に用語の定義をしつつ、帯に煽り気味に書いてある「AIが神になる?(ならない)」「AIが人類を滅ぼす?(滅ぼさない)」「シンギュラリティが到来する?(到来しない)」について論理的に説明しつつ、 東ロボくんプロジェクトの成果から人工知能技術が得意なこと、苦手なことは何かを明らかにする。 そして、人間は人工知能に出来ない仕事ができるか?として大学生の数学力調査、読解力調査と地道な調査を続けて多くの中高生が教科書の内容を読めていないという結果が出る。 人工知能技術の発達、読解力の欠如からなる「最悪のシナリオ」を提示する、という内容。

自分には読解力があるのか、とか数学をきちんと理解できているのだろうか、とか後ろ向きな考えしか出てこないが、何とか2030年あたりでも普通に仕事ができるように足掻いていきたい。

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2018年8月あたりから受験ができる予定らしい。 少し、お金のにおいも感じるものの、受けてみたいものである。