表紙は3種類の蜂
2017年8月25日にオライリージャパンから『Data Visualization with Python and JavaScript』の邦訳が発売される。
この度、邦訳の査読者として参加させていただいた。 オライリーの方から話があったのは2017年7月上旬であった。
内容としては、「Wikipediaのノーベル賞受賞者の情報を可視化する」という目標に沿ってデータのスクレイピング、データの整理、データの分析、可視化を行っていく。 データのスクレイピングから分析までがPython、可視化をJavaScriptで行っていく。
既にオライリーからは『PythonによるWebスクレイピング』や『JavaScriptによるデータビジュアライゼーション入門』といった本が出版されているが、 『PythonとJavaScriptではじめるデータビジュアライゼーション』はデータの取得から可視化まで一気通貫して行っているのが特色である。
原著はPython 3対応を謳っているものの、原著の記述はPython 2を前提とした記述が多かった。
例えば、Python 2のSimpleHTTPServer
モジュールはPython 3ではhttp.server
となったが、原著ではSimpleHTTPServer
の記述のみであった。
監訳者である嶋田さんを中心に補ったはずであるがどこまでPython 3対応が進められたのかはわからない。
全500ページと中々の分厚さで大変であるが、ぜひともデータの可視化に挑戦してみてほしい。
余談
P.xの「図P-1. 危険なWeb開発地帯」の訳注が一番気に入っている。 原著では「Here be webdev dragons」とある。 大昔の世界地図に書かれたドラゴンを意味する。 改変元となった世界地図は大英博物館所蔵の『詩篇』の写本に描かれた世界地図である。 大昔の世界地図は正確性よりも物語性が強いんだなあと感じた次第であるが、自分の内面世界も視野を広げていかないとこのような世界地図になってしまうのではないかと思うのである。