何かを書き留める何か

数学や読んだ本について書く何かです。最近は社会人として生き残りの術を学ぶ日々です。

Pythonで巡る線型代数:準備篇

「はじめに」の前に

これは以下のプロポーサルに沿ったエントリ(の予定です)

pycon.jp

はじめに

線型代数学は、数学のもっとも古い分野の一つでありながら、またもっとも新しいものの一つに数えられる。

Bourbaki『数学史』

線型代数は現代数学の基礎をなす分野であり、統計学機械学習などに応用されるなど理工系の学問にとって必須の教養である。 一方で、微積分学を到達点とする高等学校までの数学と線型代数は趣が異なりよくわらなないまま終わってしまったという方も多い。 線型代数を理解すべくPythonや数式処理ライブラリSympyを駆使して線型代数の教科書を読破する方法を探る。

準備

ソフトウェア

必要なソフトウェアは次の通り。

  1. Python 3 https://www.python.org/downloads/

  2. SymPy pip install sympy

教科書

日本語で書かれた線型代数の教科書は数多くあるが、定評があるのは概ね次の3冊である。

  1. 佐武一郎『線型代数学』裳華房 1958年

<書籍紹介> 線型代数学(新装版)(佐武一郎 著)【数学】

  1. 齋藤正彦『線型代数入門』東京大学出版会 1966年

書籍一覧・検索 » 線型代数入門 - 東京大学出版会

  1. 谷川浩司線型代数 改訂版』日本評論社 2015年

線型代数[改訂版]|日本評論社

偏見であるが、よくある線型代数の教科書は『線型代数入門』から抜粋して体を実数体に制限したものが多い。 そして『線型代数入門』は『線型代数学』を参考に工学的な視点を加味したもの、と認識している。

私が学部生の時に読んだのが佐武一郎『線型代数学』である。 同じ本を読んでも仕方ないので、今回は長谷川浩司線型代数 改訂版』を題材にして読み進めてみる。