世の中にはLaTeXの導入の方法など沢山流布していて、奥村先生の本もあるので需要がなさそうだが、折角なので研究室内で配布した自己流導入マニュアルをもとにWindows環境での導入方法を書いてみる。LaTeXは使いたいが難しいことはしたくない人向けの内容である(と私は思っている)。
- Installing TeX Live over the Internet - TeX Users Groupからinstall-tl.zipを入手する
- install-tl.zip を解凍しフォルダの中にある install-tl.bat を実行する。こと細かに設定したい場合は install-tl-advanced.bat を実行する。
- 色々聞かれるが適当に答えてダウンロード開始。環境にもよるが 1 時間ほどかかるかも。
- (標準通りインストールしたならば)C:\texlive\2013\bin\win32 にある TeXWorks を起動する。
- 編集 → 設定 → タイプセットと辿り、 「タイプセットの方法」右下方にあるプラスマークをクリックする。
- 「タイプセットの方法を設定する」というダイアグラムにおいて以下のように設定する。
名前 LaTeXmk-ipaex
プログラム C:/texlive/2013/bin/win32/latexmk.exe
-e $latex=q/platex %O -synctex=1 -kanji=utf8 -jobname=%R -guess-input-enc %B/ -e $bibtex=q/pbibtex %O -kanji=utf8 %B/ -e $makeindex=q/mendex %O -U %B/ -e $dvipdf=q/dvipdfmx %O -f ptex-ipaex.map -o %D %S/ -pdfdvi $fullname
引数は1行ずつ設定する。また、上記の設定の場合TeXファイルの文字コードはUTF-8を想定している。TeXworksのデフォルトはUTF-8であるがWebから入手したTeXファイルの文字コードがUTF-8ではないことがあるので気をつけること。文字コードを変換するツールとしては例えばKanjiTranslatorがある。
- ダイアグラム下部の「デフォルト」を「LaTeXmk-ipaex」に設定する
- 編集 → 設定 → エディタと辿り好みに応じて設定する
- TeXWorks を再起動する。
- 以下の様なファイルを作成する
\documentclass{jsarticle} \usepackage{amsmath} \usepackage{lmodern} \begin{document} もうね、\LaTeX が便利すぎてWordとか使いたくないよね。でも、世の中はそうもいかないらしいね。 スライドすらLaTeXで書いてしまうのでPowerpointを使えと言われたときはどうしようかな。 Nobody expects the Spanish Inquisition! \begin{equation*} \left( \int_{0}^{\infty} \frac{\sin x}{\sqrt{x}} dx \right)^2 = \sum_{k=0}^{\infty} \frac{(2k)!}{2^{2k}(k!)^2} \frac{1}{2k+1} = \prod_{k=1}^{\infty} \frac{4k^2}{4k^2 - 1}=\frac{\pi}{2} \end{equation*} \end{document}
- 先ほど設定した「LaTeXmk-ipaex」を実行(左上の緑矢印ボタンをクリック)してpdfが出力されれば成功
なお、Latexmkのススメ - 何かを書き留める何かも必要に応じて参照してほしい。
追記(2014年1月2日)
電通大生のためのLuaLaTeX -UEC Advent Calendar 2013- - 何かを書き留める何かには上記とほぼ同じ方法でLuaLaTeX(とLuaTeX-ja)の使い方を解説している。
また、LaTeXmkを用いる際にエラーが出る場合がある。その場合には以下のことを試して欲しい。
- 「困難は分割せよ」の原則に従い、コマンドラインで段階を踏んで実行してみる。大抵は打ち間違いかドライバ依存のエラーである。
- TeXファイルを修正した後にLaTeXmkを実行しても動かない場合、拡張子が「fdb_latexmk」及び「fls」のファイルを削除してみるとよい。一般に補助ファイルを削除してやると上手くいくことが多い。