何かを書き留める何か

数学や読んだ本について書く何かです。最近は社会人として生き残りの術を学ぶ日々です。

『Python計算機科学新教本』の査読を担当しました

温故知新

2019年6月25日にオライリージャパンから『Classic Computer Science Problems in Python』の邦訳『Python計算機科学新教本』が発売される。 この度、邦訳の査読者として参加させていただいた。 オライリーの方から話があったのは2019年4月下旬であった。 『PythonによるWebスクレイピング 第2版』の打ち上げの席で話題に上がり、たまたまBooks Kinokuniya Tokyoで原著を購入していたという偶然もあった。

www.oreilly.co.jp

内容は、学部における計算機科学の講義で扱われるような題材(ソーティング、グラフアルゴリズム)に限らず、新しい題材(k-平均クラスらリング、遺伝的アルゴズム)を取り上げて、Pythonで実装していく、という内容である。 サードパーティモジュールはほぼ使わず、一から実装していく。唯一使われているサードパーティモジュールも型ヒントのためのモジュールであり、それもPython 3.8で取り込まれるものなので標準ライブラリだけで実装していると言っても過言ではないだろう。 Pythonも3.7対応(というより、3.7の機能を使っているので3.7以降対応である)で、型ヒントを積極的に使っている。

コンパクトにまとまっているので、是非とも通勤通学時のおともに読んで欲しい。

『IPythonデータサイエンス クックブック 第2版』の査読を担当しました

科学技術計算とNotebookの威力を堪能しよう

2019年5月25日にオライリージャパンから『IPython Interactive Computing and Visualization Cookbook, 2nd Edition』の邦訳『IPythonデータサイエンス クックブック 第2版』が発売される。 この度、邦訳の査読者として参加させていただいた。 オライリーの方から話があったのは2019年3月中旬であった。

www.oreilly.co.jp

『IPythonデータサイエンス クックブック 第2版』は2015年12月に発刊された『IPythonデータサイエンス クックブック』の改訂版である。 初版がでた当時はPython 2とPython 3が並立し、まだIPythonとNotebookが一体になっていた時期である。 『IPythonデータサイエンス クックブック 第2版』ではPython 3に全面対応し、タイトルこそIPythonであるが、中身はJupyter Notebookが主体である。 IPython NotebookからJupyter Notebookへの変化だけでなく、例えば単体テストツールとして初版ではnoseが採用されていたが第2版ではpytestが採用されるなど時代に合わせたアップデートが行われている。

目次を眺めると「時系列の自己相関」やら「ポアソン過程のシミュレーション」など知らない題材が登場して尻込みしてしまうかもしれない。 ここで重要になるのが、Pythonやそのエコシステムで何ができるのかを知っておくこと、である。 読んだ直後では使わないかもしれないが、この手のものはある日突然必要になるものである。 全く知らない状態から調べるよりも、一通り目を通して頭の中にインデックスを張ることですぐに課題に取り掛かることができる。 500ページ超と中々の大物であるが、是非とも机の片隅に置いてその時に向けて役立ててほしい。

『できる 仕事がはかどるPython自動処理 全部入り。』の査読を担当しました

できる!

2019年5月24日にインプレスから『できる 仕事がはかどるPython自動処理 全部入り。』が発売される。 この度、レビュワーとして参加させていただいた。 Python mini hack-a-thon冬山合宿 2019がきっかけである。

book.impress.co.jp

オライリージャパンの『退屈なことはPythonにやらせよう』とコンセプトが似ている。 『退屈なことはPythonにやらせよう』は「面倒な作業を自動化しよう」がテーマであるが、 『できる 仕事がはかどるPython自動処理 全部入り。』は「せっかく覚えたPythonを仕事に生かそう」である。

できる 仕事がはかどるPython自動処理 全部入り。』の良いところは最初から日本の職場環境を意識して書かれている点である。 例えば、PythonインタプリタWindowsPowershellで動かしたり、Excelファイルの操作など、すぐに役に立つ内容である。