何かを書き留める何か

数学や読んだ本について書く何かです。最近は社会人として生き残りの術を学ぶ日々です。

第85回 Python mini Hack-a-thonに参加しました

手頃な題材を求めて

去る2018年2月17日に第85回 Python mini Hack-a-thonに参加した。

pyhack.connpass.com

成果物としてはPython Boot Campのドキュメントの加筆である。

github.com

Pythonの標準モジュールを説明する部分で従来は正規表現を扱っていた。 実際にPython Boot Camp in 埼玉に ぎっくり腰を抱えながら参加した際、講師の寺田さんが「正規表現は説明したら4時間かかる」という説明をした。 確かに、正規表現をまじめに取り上げるならば4時間でも足りない。 しかし、Python Boot Camp には正規表現に全力を注ぐほど時間がないのである。 どのタイミングで話したのかは覚えていないが、drillerさんと「datetimeがいいよね」という旨の話をした覚えがあった。 それをまとめたのがこのPull Requestである。 すでに構想はまとまっていたので実作業自体は30分もかからない程度であった。

どうも「身近な題材」というと、高校の情報の時間にExcelで三角函数のグラフを書いていた人ならばmathcmath、 データ構造やアルゴリズムに馴染みがあるならばcollectionsなどが「身近」であろう。 実際にプログラミングを始めるとossysが便利であることに気づくと思う。 しかし、「今さっきプログラミングを始めた人」にとって馴染みのある標準ライブラリはどれだろうか? そう考えると、datetimecalendartimeなどの日付や時刻に関するライブラリ、csvなど「目の前にあるデータ」を取り扱うライブラリが挙げられるだろうか。

「枕の下に置きましょう」の言葉の通り、眠りながら考えることにしよう。

架神恭介『「バカダークファンタジー」としての聖書入門』を読んだ。

人間の物語

架神恭介『「バカダークファンタジー」としての聖書入門』を読んだ。 特定の信仰に依存せずに聖書が何故読まれてきたのかが垣間見れる本である。

www.kinokuniya.co.jp

聖書との初めての出会いは中学生の時であった。 校門の前で恐らく日本国際ギデオン協会の方が聖書を配っていた。 担任の先生が「聖書は文学として読むと面白い」とおっしゃっていたのを覚えている。 結局、もらった聖書は実家のどこかに眠っている。

次の出会いは会社の先輩の結婚式に参列した際に「コリントの信徒への手紙一」の一部が説教された場面である。

時がたち、Twitterで『「バカダークファンタジー」としての聖書入門』の存在を知った。 ちょうど同著者の『仁義なきキリスト教史』は読んでいたので不安なく読めた。

www.kinokuniya.co.jp

架神氏の解釈は面白く、自分も聖書を信仰を前提とせずに文字通りに読みたいと思い立った。 『「バカダークファンタジー」としての聖書入門』は岩波訳(岩波文庫ではなく聖書翻訳委員会訳)を主に参照しているが、現在、新品を手に入れるのは難しい。 近くの図書館に蔵書されていたので、それを借りることにした。架神氏は合本版を参照しているが図書館にあるのは分冊版である。 ひとまず「創世記」は読み終えた。初学者はレビ記で挫折するとのことであるが、私はどこまで読み進めることができるのだろうか。

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』を読んだ。

新井紀子『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』を読んだ。 Twitterで三重大の奥村先生がお勧めしていたので財布を顧みず購入した。

store.toyokeizai.net

新井先生の本は昔『コンピュータが仕事を奪う』を読んでとても暗い気分になったことを覚えていた。 『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』は、前半こそ現時点での人工知能技術の能力と限界、東ロボくんプロジェクトなど興味深い内容であるが、後半の全国読解力調査とその結果の考察はやはり暗い気分になるものであった。

数学者らしく慎重に用語の定義をしつつ、帯に煽り気味に書いてある「AIが神になる?(ならない)」「AIが人類を滅ぼす?(滅ぼさない)」「シンギュラリティが到来する?(到来しない)」について論理的に説明しつつ、 東ロボくんプロジェクトの成果から人工知能技術が得意なこと、苦手なことは何かを明らかにする。 そして、人間は人工知能に出来ない仕事ができるか?として大学生の数学力調査、読解力調査と地道な調査を続けて多くの中高生が教科書の内容を読めていないという結果が出る。 人工知能技術の発達、読解力の欠如からなる「最悪のシナリオ」を提示する、という内容。

自分には読解力があるのか、とか数学をきちんと理解できているのだろうか、とか後ろ向きな考えしか出てこないが、何とか2030年あたりでも普通に仕事ができるように足掻いていきたい。

s4e.jp

2018年8月あたりから受験ができる予定らしい。 少し、お金のにおいも感じるものの、受けてみたいものである。